学生気分でエネルギー充填

25周年企画の最初の打ち合わせ場所は音楽大学のキャンパスでした。
駐車場から校舎に入ると、20歳前後の学生達が何百人も教室を移動する時間だった。
圧倒されるのと同時に、自分も学生だったかなと錯覚してしまった。
どうして学生はいつの時代も同じファッションなのだろうか?
でも、汚い子は確かにいない。

約束の場所まで歩いていくうちに何故か甘酸っぱい寂しさを覚えた。

頼りにしている大先輩の牧村憲一氏は相変わらず元気にキャンパスを闊歩して登場した。
「エネルギーがあるでしょう」と。
確かに忘れかけてた感覚が蘇って来る。

若さというエネルギーを吸収しながら何度かミーティングを重ね、
レコード会社の垣根を超えたベスト盤、それも未発表曲や初公開秘蔵映像なんかと一緒に出せたらファンのみんなはきっと喜んでくれるんじゃないかと話はまとまった。
「選ぶのも探すのも大変だろうなあ・・・」と心密かに悩みつつもうれしい。

それでも牧村氏はまだ不満が残っていたようで、
「25周年スペシャルがもうひとつ何かほしいんだけど、宜しくね。」

もうそれは解かっている。
すばらしいリクエストなのだが、きっと彼女は忙しいんだろうなあ。
・・・  ・・・  ・・

意を決してメールを打った。
25年位前に書いたあの曲をカバーしたいんだけど、コーラスで参加していただくっていうのは
可能だったりしちゃったりなんかするわけはどうなのなのかなあ?・・・

もうしどろもどろもええかげんでどげんすっと!

すぐに返事が返ってきた。
「よかったですね。気持はOKですが事務所にきいてみますので待っていてください。」
もうその言葉だけで十分にうれしかった。