サンシャイン・キャリフにあこがれて

今年の始め、1977年発表にされた杉真理デビューアルバム「Mari & Red Stripes」についてのコメント依頼があった。私の御師匠様は30周年になるというではないか。驚きだ。
「安部さんの25周年も準備してくださいよ」。僕らの音楽を愛してそしてずっと支えてくれたファンの方々に本当に心から感謝しています。


1975年だったと思う。銀座ヤマハ3階にPop Spotなる公開スタジオのようなスペースがあり、数多くのアマチュアミュージシャンが集まっていた。毎月のようにライブがあって、僕の1番のお気に入りは“サンシャイン・キャリフ”というBANDだった。AllmanやDoobeeのいいとこ取りみたいなオリジナル曲を演奏する、兎に角飛びぬけてかっこいいバンドだったので、追いかけるように聞きに行っていた。


それと同時期にまだ高校生のカシオペアがいて、どうしようもない衝撃を受けて野呂君や櫻井君小池君と話したりしてた。また別の月にはピープル(杉真理竹内まりや)という慶応のバンドがビートルズみたいなオリジナルを演奏しててビックリしたりと、毎回見に行くのが楽しくてしょうがなかった。
(かわいいまりやを見に来ているファンも相当多かったはず。エッちゃんも素敵だったよーって解かるかな?)


いつだったかそのS.キャリフが出場するというコンテストを見に行ったら、彼らは突然のキャンセル。穴があいたと言ってスタッフが困っていた。そこで、安易な気持で替わりにピンチヒッター出場したところ、ラッキーにもなんと優勝してしまったのだ。回りは皆バンドなのに僕だけが弾き語りだったからなんか気まずかった。
でも、審査員はユーミンとのちの旦那だったから文句は言えないでしょ。


その僕を見ていたS.キャリフのボーカルだった高橋君が声をかけてくれてメンバーや杉さんとの付き合いが深まっていったわけです。(後にこの高橋君は若き鈴木雄大をも発掘しているというなんとも不思議な才能の持ち主なのである)。


それまでビートルズ色が強かった僕にジャズやブルースといったアメリカン・テイストを注ぎ込んでくれたのはSキャリフのリーダー・タッチャンだったのだが、他のアメリカンも色々と教えてくれて感謝しています。


みんなでワイワイしているうちに杉さんのデビューが決まり、無責任とも思える「ご一緒に」とお声をかけて頂き、少しだけ音楽の世界を覗くことになっていく訳です。
(無責任発言はその後も続くのだが。)